微分方程式による数理モデルと複雑系   

芹沢 浩 著
A5判/201頁
定価(本体2,000円+税)
ISBN978-4-7687-0448-6 
数学一般 在庫あり
  本書は微分方程式によって表された複雑系の数値解析について学ぶ入門書である.
 図版を数多く収録し,複雑系の基本現象であるカオス,パターン形成などにつ いて,視覚的,感覚的に理解できるように配慮されている.また,読者 が自ら 描くことを強く意識し,そのときに必要な数学的知識,例えば,ルンゲ=クッタ 法,有限差分法などに関して,各章の補遺で詳しく説明してい る.オリジナル な内容も豊富に含み,第5章の「シンプルカオス」では常微分方程式系,偏微分 方程式系も含めて,カオス系はどこまでシンプルになり 得るかという問題を追 及し,第6章の「樹状ネットワーク構造の形成とエントロピー生成率最大化 (MEP)の原理」ではエントロピー生成率最大化と いう観点から散逸構造形成の 本質に迫っていく. 

●内容

第1章 常微分方程式による生態系の数理モデル
連続力学系と離散力学系,ロジスティック方程式,捕食・被食関係を表す生態系 モデル,3種類の生物から成る湖沼生態系モデル,連続力学系の極限図 形と終局 状態,常微分方程式の差分化
第2章 散逸系とストレンジアトラクタ
2変数ロジスティック方程式と熊手分岐,シェファーの最小2成分モデルとホップ 分岐,散逸系のカオス,私流のカオス発見法
第3章 保存系のカオス
連続力学系と離散力学系,ロジスティック方程式,捕食・被食関係を表す生態系 モデル,3種類の生物から成る湖沼生態系モデル,連続力学系の極限図 形と終局 状態,常微分方程式の差分化
第4章 反応・拡散方程式による時空間カオス
反応・拡散方程式,対流と拡散のメカニズム,対流と拡散によるパターン形成, 自然界で見られる種々のパターン,偏微分方程式の差分化
第5章 シンプルカオス
ローレンツアトラクタとレスラーアトラクタ,ジャーク関数,スプロットのカオ ス,強制振動系,フラクタルな流域構造を持つ双安定な自励系,時空間 カオ ス,ルンゲ=クッタ法
第6章 樹状ネットワーク構造の形成とエントロピー生成率最大化(MEP)の原理
プリゴジンがやり残したこと,ポアッソン方程式とラプラス方程式,樹状ネット ワークモデル,樹状ネットワークと散逸構造,河道形成モデル,散逸構 造の低 エントロピー性とMEP原理,錯綜するエントロピー理論の統合に向けて,有限差 分法と連立1次方程式の効率的な解法
第7章 Javaグラフィックライブラリ
プログラミング言語に習熟することのメリット,Javaグラフィックライブラリの 概要,16色カラーモードと256色カラースペクトル,システム 座標系とユーティ リティ座標系,描画フレームの作成
第8章 Javaで描く複雑系 −サンプルプログラム集−
サンプルプログラムについて,メインクラスのグローバル変数とメソッド,サン プルプログラム集

Post a comment 0 コメント :

本のお問合せ、購入等、こちらにご連絡ください。

名前

メール *

メッセージ *